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発売日 2005/10.26(英語版) 推奨動作環境 CPU
P4 2.5GHz 開発元・Pterdon |
ベトナム戦争物のゲームというと、史実の知名度とは裏腹にかなりマニアックな部類に属する。過去にベトナム戦争を題材とした物は幾つかあったのだが、そもそも技術的にはジャングルの描写が難しく、またアメリカ側にすると負けた関係上ストーリー的にも難しく、かつ全体的に陰湿でアクション性に乏しいという欠点があるし、これだけで会社泣かせかつプレイヤー層を限定するのに・・・
最も大きな問題点としてアメリカ人は自分達が負けたベトナム戦争のゲームを買おうとは考えないから(これは筆者の意見ではなく、一般的にそうだと理解されている)益々売れない。
そんな事でチョコチョコと微妙な作品が生まれては消えていったベトナム戦争もののゲームであったが、2003年に発売された「Vietcong」はベトナム戦争FPSといえばコレ、というほど完成度が高く評価されたゲームだった。それでも「硬派」な部類なので購入層はかなり限定されてしまったが、買った人々の評価は全体的に高い。
ジャングルの描写、リアルな雰囲気、武器の再現どの高さなどなど。この作品については自分も製品版を持っており、好きな作品であるのだが今後機会があったらレビューしたいと思っている。
ともかく、こんな経緯があって今回発売された名作Vietcongの続編、Vietcong2がファンにとって期待されていたのは明らかである。しかし、残念なことにこれから詳しく紹介するが「コケた」作品となってしまった。また、前作と発売元は変更されているが、どのような事情があったかは分からない。

◎価格
CD5枚で、英語版の価格は29.99j。輸入版の価格は5、6千円だが最近確認した所によると値崩れを起こしており輸入版は3980円程度で購入できる。
日本ではCYBERFRONTから日本語マニュアル付英語版が発売されている。こちらはオープンプライスだが実売5500-6000円前後。
なお、初期ロットにはCD1がインストール時にエラーを起こしてインストールが中断される、という致命的なバグが発生しており返品、交換に応じている。何を隠そう自分もそれで一度返品したクチで・・・もっとも、日本での輸入代理店であるシンアイ商会の方で独自に応じてくれた事であり、メーカー側で同じようなサポートを行っていたかどうかは分からない。現在販売されているものは通常通りインストール可能である。
◎ゲーム概要
ゲームモードにはアメリカ/ベトコン側のキャンペーンモード(いわゆるストーリーモード)とシングルミッション、マルチプレイが用意されている。
キャンペーンモードでは用意されたミッションをこなしていくオーソドックスなタイプで、アメリカ軍では特殊部隊グリーンベレー所属の1大尉として、ベトコン側ではベトナムの1農民で、図らずも戦争に巻き込まれてしまった青年を主人公に進んでいく。ベトコン側のキャンペーンは、アメリカ側のキャンペーンをある程度進めないとアンロックできない。
どちらのキャンペーンもそうだが、時にプレイヤーは部下を持ち、分隊長として行動する事がある。
ベトナム側キャンペーンについてだが、神父を人質に取り自殺する青年がゲーム中で現れ、その青年の戦歴を綴った手記を神父が拾い、読みながら振り返っていくのがベトコン側キャンペーンとなっている。

ゲーム全体は、1968年のテト攻勢をバックボーンにしている。どうしても説明しておきたい所なので2点解説したい。
まず、ベトナム戦争について。
ベトナム戦争というとベトコンのゲリラ戦の印象が非常に強いが、本来北ベトナム軍(NVA)と南ベトナム軍(SVA)の戦いである。北ベトナムは共産主義国家であり、同じ共産主義国家であるソビエトや中国が支援、南ベトナムは共産主義の脅威を防ぐためアメリカ、イギリスなどの資本主義陣営が支援に武力介入し、大規模な戦争となった。ソビエトや中国は表立って兵力を派遣していたわけではないが、武器や軍需物資などを「ホーチミン・ルート」と呼ばれる輸送路などから大量に輸出している。
そんな中、南ベトナム領内での破壊活動や戦闘行為を目的としたゲリラ部隊がベトコンである。時には村が丸ごとベトコンの拠点だった事もあり、アメリカは自らが支援する南ベトナムに対して時には苛烈に振舞わざるを得ず、虐殺事件なども発生している。
ベトコンサイドの主人公はベトコンの活動に協力していたが、故郷の村がアメリカ軍に焼き尽くされてしまい、一兵士として訓練を受けテト攻勢に参加する事になる。
アメリカの攻撃を受け、逃げる少年の前に巨大ロボットが(ry

物語のバックボーンになる「テト攻勢」について
テト攻勢は1968年1月末「旧正月(=テト)」に行われた大規模な北ベトナム軍の攻勢である。本来、戦争をしている間でも正月やクリスマスと言ったそれぞれの国家の宗教上や特別な記念日は攻撃しないよう暗黙の了解がとられている。
NVA、ベトコン側ではこの攻撃にかなり綿密な計画を前もって立てており、ゲームではフエ市が舞台となるが、サイゴンのアメリカ大使館などは一時的に敵側に占領されるなど犠牲も大きかったが政治的には成功となった。
なぜなら、この結果アメリカの反戦運動は熱を帯び、結果的にアメリカ軍のベトナム撤退に繋がるからである。基本的にベトナムは南も北も、風習や文化は同じなので絶対に攻撃してこないと思ったアメリカの不意をついた。
歴史的には非常に意義深い戦闘、事件をゲームでは取り上げているわけだが、逆に言うと全体がテト攻勢をメインにしているため、年代的な進展はないということである。
更には、前作で非常に高い評価を受けたジャングル戦もフエ市街戦が舞台となっているため前作とは違いほとんどが市街戦に終始しており、この点はかなり批判を受ける事となったが、開発サイドでは「ジャングル戦だけがベトナム戦争ではない。またジャングル戦をゲームから完全にオミットしたわけではないので安心して欲しい」と言うような風に回答している。
◎グラフィック
このような言い方をする事は滅多に無いが、グラフィックの悪さは筆舌しがたい。本作が悪い評価を受けている最大の要因がグラフィックが悪いことである。
グラフィックエンジンは自社製のPtero-EngineIIIを使用。前作と比べグラフィックは向上しているのだが、基本的なグラフィックエンジンには殆ど手を加えられておらず、モデルのポリゴン数や高解像度テクスチャを利用する事によって綺麗に「見せ」るという古典的な方法に頼っている。
当然その皺寄せは動作環境に来るので、同世代に出たゲームよりも異常に動作環境は高く見積もられている。

一番最初にまとめてあるが、この動作環境は最新のグラフィックエンジンを使用したFPS(2006.4現在)の製品よりも高く、そのくせ決して綺麗とは言いがたい。
何かのレビューにも書いたが、推奨動作環境はメーカーがどのように考えているかにもよるので、たとえば中解像度で満足に動くスペックはこれですよ、という場合もあるし、高解像度で満足に動くスペックはこれですよ、という場合もある。だが、筆者がテストした環境(P4 2.8GHz Mem1GB Geforce7800GS 256MB)でも相当に重く、グラフィックをかなり落とさないとプレイ出来ない状況であった。
このエンジンはジャングル等オープンな環境に強いのだが、インドア戦やCQB戦が多い本作ではその長所も帳消しにされてしまったようで、特に市街地のグラフィックは最近の作品とは思えないほど汚い。まるで数年前の作品を見ているようである。
↓これが最近の作品と言えるのかッ(;´Д`)

グラフィック全般に関してもう一つ大きなマイナスポイントとなっているのが、影の表現や光陰の表現である。最近のゲームは光の強弱によって画面全体が暗くなったり、持っている銃の鉄がきらめいて反射したりするのだが、このゲームは影の表現も粗く、全体的に薄明るい〜〜薄暗い の間を彷徨っており汚いといった印象を一層掻き立ててしまっている。この辺はスクショをご覧いただければお分かりになると思う。
例えば、すぐ上に載せた2枚の画像の右側を見て頂きたい。建物の天井に電気があるのにもかかわらず、画面全体は非常に薄暗い。光がついているのに部屋全体の光量(光が入っていない部分の明るさ)はほぼ同じで、不気味な印象すら受ける。
↓照明弾が輝いているのに、すぐ先は真っ暗(右画像)
一寸先は闇とでもいいたいのだろうか?w

さて、今作では物理エンジンが導入されているそうなのだが、かなりいい加減な印象を覚える。なぜなら、ゲーム上においてあるほとんどのオブジェクトは動かせないからだ。あっても机の上の酒瓶を割れるとか、重なっている木箱の1段目の上に上がって2段目を押すと転がるとか、その程度で今までのゲームと比べて進化したイメージは全く受けない。
またこれはあまり気にしなかったことだが、海外では地面のテクスチャが(前作と同様)依然として汚い と言う事が批判されていたが、確かに振り返って地面を見てみると汚いと思える。

◎サウンド
これもグラフィックに劣らず悪い。距離が離れていても銃声は距離が無い時と比べてほとんど変わらず、同じように聞こえる。
それから、時々味方や敵が銃を発射しても発射音が出ない事がある。あまり経験はないがプレイヤーが銃を発射しても発射音が出ない事があった。
ボリュームの調整も完全ではなく、音声の中にときどき音量が異常に高いものや、銃声にも同様なものがあった。ハードウェア出力やEAXにも対応しているが、定位感はかなり悪く、グラフィックのまずさとあいまって3Dゲームとしての臨場感を大いに下げてしまっている。
これらはいずれも前作にはほとんど見受けられなかった(少なくともプレイした経験でそう感じた)ものであり、なんとなく手抜きを感じさせる。
ちなみに、前作では当時のヒット曲などを使い盛り上げていたが、今作ではどうなったか、しっかりとしたデータは調べていないものの、過去の音楽を想起させるBGMはあるにはあるが全体としてはかなり少ないように思えた。
