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Red Orchestra
Ostfront 41-45

公式

発売 2006/3.14

最低動作環境

P4 1300MHz/AMDで同性能のCPU
Mem256MB
ビデオカード/DirectX9に対応で、VRAM 64MB以上

開発元・Tripwire Interactive
発売元・BOLD GAMES

 

今回紹介するRed Orchestraは第二次世界大戦の東部戦線を取り上げた非常に珍しく、なおかつリアル路線のFPSゲームである。ゲームの解説にしか興味の無い方は↓の線部分は読まなくてかまわないのだが、簡単に、時代背景となる独ソ戦に関して軽く解説させて頂こうと思う。

 


第二次世界大戦では、世界大戦というように色々な国が戦争に参加し戦争と交えたがその中でも死者数とも、規模共にもっとも多いのがドイツとソビエトの戦争であろう。いわゆる「独ソ戦」「東部戦線」である。東部戦線の由来はドイツから見て東側だから。同様にフランスやベルギー、オランダ、イギリス等ドイツから見て西での戦いは「西部戦線」と言われる。

独ソ戦は1941年6月、ドイツ軍が「バルバロッサ作戦」によってソ連国境に突如侵攻したことによって始まる。その動員兵数は実に300万人と言われ、1944年に行われた連合軍のノルマンディー上陸に匹敵する。モスクワを目標に目指したドイツ軍だが、ヒトラーの命令が二転三転する間にソビエト軍は防衛体制を整えてしまい、モスクワの残り40kmで進撃は頓挫。以後ドイツ敗北まで泥沼の戦いを続けることとなる。

独ソ戦での戦いには非常に大規模な戦闘が多く、未だに戦史研究家達の興味を惹いてやまない。縦に長く続いた戦線は4000kmにもおよび、如何にスケールの大きな戦争と言うのが分かるだろう。

「地獄の東部戦線」とドイツ軍兵士達にいわれたように、東部戦線は想像を絶する戦場だった。ソビエトは捕虜の扱い等を定めたジュネーブ条約に批准していなかったからドイツ軍の捕虜は次々と惨殺されたり、痛い目にあった。西部戦線では捕虜や占領地の人々に対して丁重に扱ったドイツ軍も容赦しなくなった。占領地では次々と略奪を行い、ソビエト軍の捕虜を殺すのも朝飯前。こんな事がお互いで続くものだから救われない。(これには、ヒトラーが白人、ドイツ人以外を辺境民族と差別していた事情もあるのだが)

現代兵器の粋を結集した戦いが行われながら、戦いのルール、精神的な物は原始時代のそれと殆ど進化していなかったのである。


 

さてさて、東部戦線について簡単に解説したが、ゲームとして東部戦線を題材にしたのはきわめて少ない。現在出回っているゲームの多くはアメリカ人かイギリス人(いわゆる共産軍ではなく、連合軍が・・・)ドイツ人(枢軸軍)を倒すゲームばかりである。

これには、クリエイター達にとって英語の戦史は理解しやすいが、ロシア語の戦史は理解しにくい、と言った事情もあるのだが、購入する人々のことを考えても自分達(アメリカ人からみて)と全く関係ない人々の戦いのゲームを買うかどうか、と言う点においてクエスチョンマークがつくのは否めない。

我々日本人からみて、日本人がアメリカ人を倒すというゲームは過去ほとんどなかったのでどこの国とどこの国が戦おうが、ゲームでは意識しないものだが、それでも向こうの人々にすれば意識してしまうものである。これが今までこの手のゲームのリリースを阻んできた事情に他ならない。

 

今回レビューするRed Orchestra 41-45は非常に珍しい東部戦線FPSであるが、本作にしてももともと製品化する予定で作ったゲームではない。この作品の元の「Red Orchestra」はアンリアル・トーナメント2004(UT2004)のModだったのだ。Modだからこそコアな題材を取り入れる事が出来たというのもあるだろうと思う。

コンセプトは可能な限りリアルに近づける、と言うもの。

未来風のマルチ対戦ゲームであるUT2004に非常にコアな東部戦線のModが登場してきた反響は大きく、また極めて高い完成度から製作チームは「$1,000,000 Make Something Unrealコンテスト」のBest FPS Mod賞に輝き100万ドル(約1億2千万円)の賞金を手にしている。

 

その他にもGamespot,Gamespyなどから数々の栄誉ある賞を受賞しており、今回の単品での製品化となった。無料配布されるModからパッケージ化した作品は過去少なからずあるが、それでも作品として非常に高い評価を受けていなければ製品化されないので全体の作品数から見れば極めてまれなパターンに属する。この手のMod→パッケージ化された例にはカウンターストライク,Day of Defeatなどがある。

いずれも知っている方であれば異論は無いと思うが、傑作の誉れも高い。今回の作品も前歴を考えるに既に傑作と評価するのは決定しているようなものだ。

もっとも、評価するのは私なのであまり体面は気にしないのだが東部戦線好きの自分としてもこの作品は好きだし、何より完成度がすばらしい。レビューには公平を期そうと思うが是非紹介したいタイトルである。


◎価格

このゲームはValve社のSteam(後述)を利用しているため、Steamからダウンロード販売で購入する事も出来る。

ダウンロード販売の場合24.95j。
パッケージ版の場合29.99j。
自分が買った輸入パッケージ版は5500円であったが、ダウンロード版と比べると2倍近く、少し割高に感じたのだが・・・

CD2枚でSteamをインストールしていない場合、ソフトウェアとあわせてSteamをインストールする必要がある。

もちろんだが、日本での発売予定はない。


◎ゲーム概要

プレイヤーはドイツ軍またはソビエト軍兵士となり、マップごとに定められた作戦目標(ほとんどは一定の、決められた陣地の占領だがたまに破壊などもある)を達成し、自軍を勝利に導く。

ゲームモードとしてシングルプレイ、マルチプレイが用意されている。後述するが、このゲームは基本的にマルチプレイ専用と考えてしまったほうが良いかも・・・

 

さて、Steam云々と書いたが、SteamというのはValve社が運営するインターネットでのゲーム配信/管理システムである。現在、インターネットを利用したゲーム配信システムには色々あるのだが、その中でも成功例といわれている。ゲームを始めるにはSteamユーザー名を作成し、ゲームのCD keyを認証しなくてはプレイできない。これはコピー品対策にかなりの効果を挙げるだろう。

Steamユーザー名〜ゲーム〜ゲームCDキーと管理されており、ユーザーが他の場所に行ってもユーザー名とパスワードさえ分かれば出先でプレイ出来るようになっている。

 

ゲームはクラス制(BF1942などに見られる兵科制)をとっている。ただし誰でも好きな兵科になれるというわけではなく狙撃兵など、特定の兵科には人数制限がある。

マップによっては戦車や軽戦車、装甲車などが搭乗するマップもあるが、戦車や軽戦車は戦車兵の兵科でなければ搭乗できない。
(但し一般の兵科でも装甲車には搭乗可能)

さすがにリアル系ということもあり、それぞれの戦場(マップ)は戦史に沿っており、開始するとプレイヤーの所属部隊、目標などについて解説される。

 

また、双眼鏡を持つ一定の兵科は砲兵支援を要請可能。回数は決められているが・・・
砲兵支援を要請するには、双眼鏡で座標を固定したあと無線機のある場所まで行き、無線機で砲兵部隊と連絡を取り砲兵支援の要請をしなければならない。これがかなりマニアックでポイント高しw

砲兵支援を行うと、遠方から「ボン!ボボン!ボン!ボン!」と言う砲兵射撃の音がして少し後に一斉に着弾するが、この演出は実にすんばらしいw

 

さて、特徴としてこのゲームは、プレイヤーが何回死亡し、何回殺されたかを確認する事は出来ない。得点自体は殺傷や破壊など、様々な条件で加算されるが、陣地占領がもっともポイントが高いようである。

つまり、陣地の占領(チーム戦での勝利)こそが至上の条件であり、実際に戦場で敵を倒すよりも勝利に貢献すると言う事だ。
「戦いに勝って、戦争に負けた」と言う言葉があるが、戦争で敵の撃滅というのは作戦目標の2の次に過ぎず、主たるものは都市の占領だったり要地の奪還だったりするわけ。

 

兵科選択画面↓兵科によっては武器を選択して出撃することもできる。(Kar98K狙撃ライフル/G43狙撃ライフル のように...)むろん、登場年代も再現しておりスターリングラード戦でStg44といった戦争後期の武器が登場することはない。

 


◎グラフィック

Unreal Engine 3.0を使用。現在の段階では、これからこのグラフィックを利用した作品が出てくると言う段階で最新世代の部類に属する。っが見て分かるとおり最新世代の割には綺麗とはいえない・・・無論、これはエンジンのせいではなく、ゲーム内で必要以上に綺麗に表現しなかったということである。
オプションで描画エンジンを変更可能だが、DirectX9 3Dだと多少重いのでワンランク落としたDirect 3Dにするという手もある。PC性能に自信が無い場合はそちらを選択すべきかと。なお、Character Shadowオプションをオフにすると結構軽くなる。

Unreal Engine3.0は非常に細密で、かつリアルタイムに描写される影の表現がウリとなっているが影のクオリティを落とす事でかなりのパフォーマンス向上が期待できる。

なお、戦車戦の関係からか1000mクラス以上の遠景での描画にも対応しており、こちらも中々綺麗。あんまりマップが広大だとオブジェクトの数を減らさざるを得ないのだが、むしろそれはゲーム上の問題でありグラフィック的にはなんら問題ないものと思う。

 

↓Direct3D 9の描画 ゲーム内のグラフィッククオリティを考えると、マァ及第点といったところだろうか・・・
実をいうと、最大画質にしてもそれほど変わらなかったりするw


◎サウンド

元がModということもあり、あまり力は入れられていない(特にBGM関係)
ゲーム中にはBGMがなく、トップ画面でもBGMは無いので非常に寂しい印象を受けるが、EAXやハードウェア出力には勿論対応している。
効果音に関してはかなりの出来栄えでポイント高し。

定位感はそこそこ。砲声などはかなり遠距離からでも聞こえ、聞こえた方向から敵戦車の種類、大まかな方角、距離などをつかむ事ができる。

 

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