◎ゲームプレイ

今までのFPSには無いマニアック要素がてんこ盛りなので、それぞれ解説していきたい。
・基本的に死亡しても何度でも復活可能
・音声チャットに対応。
・しゃがみ、伏せ可能。
・ほとんどの武器にはセカンダリー・アタックがありメレー攻撃が可能。ごく一部のライフルは着剣可能で銃剣攻撃に切り替えられる。
・スタミナゲージが許す限り、スプリント(ダッシュ)可能。スタミナゲージは呼吸に影響をもたらし、銃の照準に影響を与える
・画面上に照準はなく、アイアンサイトで照準しなければならない
・一部の武器は、伏せないと射撃/再装填できない(機関銃、対戦車ライフルなど)
・体力ゲージはなく、被弾が致命傷になると死亡するシステム
・病院などはなく、一度ダメージを食らうと回復する事ができない
・弾薬は特定の地点で補給可能。
・独特のマガジンシステム(後述)
・機関銃は銃身のオーバーヒートがあり、銃身交換をする必要がある場合も。
・重力による弾道落下、弾道学の概念が盛り込まれており、命中角度による侵徹、貫通、跳弾といった要素がある。銃を発射すると、距離が離れれば10cm,20cmと落ちていく。同様に、砲弾も徐々に重力の影響でおちていく。
・戦車には装甲厚が史実にあわせて再現されている。装甲の厚い戦車は小口径砲で攻撃しても跳ね返されるだけで、装甲の薄い側/後面か弱点を攻撃する必要がある。
ここまで見るだけでも相当マニアックかとw
まずそれぞれの点を解説した上で評価したい。
アイアンサイトによる照準は既に多くのゲームで取り入れられているが、大体のゲームは画面上に十字マークの照準があり、アイアンサイトで照準すると精度が上がるとか、安定するとかその程度である。
ところがこのゲームは、アイアンサイト無しでの命中率がひどく悪いので、アイアンサイトで照準しない限り殆ど命中しない。
「独特のマガジンシステム」と書いたが、プレイヤーは今マガジンにどれだけの弾が装填されているか知るすべはない。つまり、Kar98Kの装弾数は5発で、今3発発射したから残り2発だ、と言う風に大まかに記憶しておかなければならない。
また、プレイヤーはすべての弾を撃ちきらない限り、マガジンを廃棄しない。仮にMP40で5個のマガジンを持っているとしよう。装弾数は32発だから
32発→32発→32発→32発→32発 となる。
残り16発でマガジンを変更した場合、そのマガジンは一番最後に装填される。だから
32発→32発→32発→32発→16発 となる。
そうなるとゴチャゴチャになってしまうが、マガジンを入れ替えると「New Magazine is Heavy」(新しいマガジンは重い=新しいマガジンには多くの弾丸が装填されている) と言う風なメッセージが出る。残り弾数が少ないマガジンを装填すると「New Magazine is Very Light」といったメッセージが出てくる。これである程度は知る事ができる。
そうなるともちろんだが、オートマーチック拳銃の場合、チェンバーのプラス1発とかも勿論計算されているのでもうどうしようもないリアルさというか・・・困るレベルw
面倒なので、ある程度つかったら全部打ち切って捨ててしまうのも手であるが・・・

それから、被弾部位によって...とあるが、今まで経験した事は無いものの出血多量で死亡するといったこともあるようだ。右手に被弾したりすると、銃を落としてしまうので再度拾って戦わなければならない。このシステムは非常に面白いと思う。
武器を持てる数は限られており、ライフル、SMGといった基本的に両手で持つ武器はそれで1つ、あとピストル、手榴弾、双眼鏡などが持てる。ピストルを2種持つ事はできない。
この手のゲームで初めて再現されたと思われる面白いシステムと言えば、機銃の銃身交換である。
空冷式機関銃は、連続発射すると銃身が焼けて銃に悪影響を及ぼすので、場合によっては交換しなければならない。(本来は交換しないよう弾数や銃身の温度管理をするのが機銃手の使命であるが)
↓MG34の銃身交換。レシーバーを90度回転させ、銃身を抜き取る。しかしこの動作の再現といいかなり驚いたw

こうなると言わずもがな、弾が切れたときのマガジン交換と切れていない状態のマガジン交換は、モーションが変わる。
↓はルガーP08の全弾発射状態のリロードモーションだが、一番左の画像のトグルが起きているのを良く見ていただきたい。
銃の再現度もさることながら本当に出来は良い。

驚かされた事と言えば、機銃弾の弾の中に、数発に一発含まれる曳光弾の色の違いまで再現してあるということである。
曳光弾というのは味方が突撃などする際、味方の機関銃の制圧射撃の範囲内に飛び込まないよう色分けをした弾で判断させるものなのだが、ソビエト軍は緑色、ドイツ軍は黄色の曳光弾を使用しており、それまで再現されている。
ゲームの話に戻るが、基本的なチャットはキーからカテゴリを選んで数字キーで発言するというオーソドックスなタイプ。ドイツ陣営ならドイツ語、ソビエト陣営ならロシア語で会話される。
もうひとつ。プレイヤーは味方プレイヤーが何処にいるか、レーダー等がないので分からないようになっている。そうなるとチャットする意味が薄れてくるが、チャットで発言するとプレイヤーの場所が大まかにテキストで表示される。(Nearly South Village→西の村の近く といったかんじ。)
可能な限りリアルにしている本作において、ゲームバランスというのは関係ない要素に思われてしまうが当然配慮されている。
似たような銃器でも微妙に差異をつけたりしていて、マルチプレイをしている限りバランスは良好に思える。
◎戦車戦

ここまでは歩兵戦についてレビューしたが、戦車戦も相当な出来である。東部戦線においては、両軍とも「技術のシーソーゲーム」で一歩も退かず優秀な戦車や兵器を数多く送り出してきたが、戦争初期においてはソビエトのT34戦車は恐ろしく強いし、ドイツ軍でもタイガー戦車が登場するとかなり強力でこちらの砲弾は軽々とはじかれてしまう。
このゲームでは、戦車は乗組員、装填手兼砲手兼戦車長、前部機銃手の3人が乗り組む事ができる。車種によっては二人となるが、これは史実の人数より多少少ない。史実ではタイガー戦車は5、6人乗り組むがゲームでは3人である。っだが、通信手や装填手はゲームでやる事がないのでオミットしてもなんら問題ではないし、あったとしても暇なだけなのでゲームとしての評価を下げる事にもなってしまうだろう。
更に言うなら、1両に乗る人数を増やしてしまうとそれだけ戦場に出る戦車の数が減る事になり、大人数でなければつまらない という図式になってしまう。
戦車は車内、照準器ともにかなりの再現度の高さで、砲弾の弾種変更にも対応している。(大概はAP 徹甲弾/
HE 榴弾のみ)
砲口径によって威力も当然違うが、弾の装填速度やその戦車が持つ装弾数も変わってくる。射撃すると砲弾は自動で装填されるが、戦車によっては再装填に10秒〜20秒前後掛かるものもある。
ソビエトのスターリン戦車は122ミリ砲弾を使用するが、あまりの大口径のため、弾頭と薬莢(装薬)部分を別々に装填するのだが、弾頭だけで20kg前後もの重さがあったといわれる。装填手の苦労もなみなみならぬものがあっただろう。
さらに、戦車のハッチから双眼鏡で敵を索敵したりもできる。索敵が重要な要素となる戦車戦に全く妥協しない製作スタッフの仕事振りは評価されるべきであるとおもう。
敵の距離は双眼鏡の突起で判断できるが、距離によって弾道は落下するため、遠距離になると照準器を調整して遠距離射撃を行う必要がある。
戦車戦のゲームでは、日本でかつて傑作「Panzer Front」というタイトルがあったが、このゲームは戦車戦だけでも興奮する要素が多くこの作品をプレイした方々でも納得行く事疑いない。

◎マルチプレイ
マルチプレイは32人まで対応しており、BOT(AI)を対戦につけることもできる。だが残念なことにプレイヤー人数が極めて少ないのが現状である。
次の数値は全世界のサーバーにプレイヤー人数の多い順にフィルターを掛けたものだが(画像中一番上のはおそらくバグ)多いときでも4,500人程度であり、ネットワーク対戦を主眼においているゲームにおいてこれはかなりのマイナスポイントであろう。

日本でもサーバーがたってはいるが、休日など時間帯を選ばない限り人がいないという状況で、日本人がプレイできる環境のサーバーというのは殆どないという現状。(人数の多い盛況なサーバーはpingが高すぎてプレイに支障をきたしてしまう)
先に書いたが、既に多くのアップデートを重ねてきていて完成度も高い本作なのでバランスは良い。
◎シングルプレイとBOT,AI
本作ではシングルプレイが可能となっており、(Mod版では不可)BOTを含めた対戦ができる。
この手のゲームのAIで、カウンターストライクに付属していたものは非常に優秀であったが、今作の場合なぜかすぐ近くにいるのに素通りしてしまったり、戦車戦においても気付いていないのか全く発砲してこない、という事はよくある。
そのくせ命中率だけは非常に高い、というのはどうみてもAIの出来として破滅パターンであり残念ながらあまり評価することができない。
シングルプレイに関しても、「Practis」(練習)というかたちで実現しているがAIの数はたった6人、6人の両陣営あわせて12人であり、少なすぎる。オプションを見ても増やせないようだが・・・

◎総論
AIの出来を考えると、あくまでオマケでマルチプレイこそが本作の真髄と考えるべきであろう。
しかしながら、そのマルチプレイにおいて人数が少ないのは非常に残念である。おそらく内容がコア過ぎて逆に受けないのだろうか・・・
ゲーム全体としてはレビュアーの評価を見る限り軒並み高く、低く評価している人は買うゲームを間違えた部類に属するだろう。
今回、本作を評価するに当たって傑作か秀作か迷ったが、あえて秀作を取る事にした。
なぜかと言えば、作品全体に関して大きな2つの不満がある。
1、マルチプレイ人口が少なすぎる
2、価格が高すぎる
マルチプレイ人口が少ない件については既に触れたが、このゲームにおいてマルチプレイ人口が少ないということはゲームの寿命そのものを決定付ける要因であるから、それが少ないというのはゲームの価値自体が低いと言う事になってしまう。この場で言ってしまうのも難だが、このような思わしくない状況が続いている場合、このゲームを持つ意義自体も相当薄れてくるので手放す可能性もありえる。
価格が高すぎる件について。日本では5500円前後で販売されているがこれはダウンロード販売のほぼ2倍の価格となる。パッケージ版にしても29.99jという低価格路線で勝負しているゲームなのだから、この価格(日本での販売価格)ははっきり言って高すぎる。
ゲームがつまらないというわけではないが、それでもかなり躊躇してしまう。輸入手数料がかかるのは承知だが、それにしてももう少し低価格で販売して欲しかった・・・
さてさて、これらは開発サイドからは全く関係ない話である。ゲーム自体のクオリティ自体は非常に高いのだからマルチプレイ人口が少ないのは開発サイドの責任ではないし、日本での価格が高い件についても海外では24.99j(ダウンロード販売)と低価格路線で勝負しているのだから関係ない話である。
でも、私は消費者であるから、買った商品に関してどんな理由があろうと金銭分の価値がないということであれば反論すべきだと思う。高い商品を買ってしまい「ふざけるな!」と思うのが消費者の心理であり、「これは見事な商法だった」と関心するのはどうみてもおかしな話である。
むろん、状況は異なるのだがこれらの現状を考慮して秀作と評価する事とした。これほど迷ったのも初めてだが、マニアな方には是非お薦めしたいゲームである。それにしてもパッケージで買うのは高すぎる。よってSteamのダウンロード販売で手に入れられる事をお薦めする。
おまけ
ソビエト軍のメカって結構かわいいのが多かったりする(;´Д`)ハァハァ
このまえプレイヤーが操作しているT34が排気ガスを噴きながらぶるぶると走っているのを見て可愛さのあまり思わず追いかけてしまったww

BA-10装甲車。見かけによらず小さいので超かわいい

最後に書き忘れ。ピストルを持っている状態でスプリントするとなぜかハンマーをカチャカチャといじるので「なんだろう?」と思ったら、走ってるときにうっかりトリガーを引いて暴発しないようにハンマーを倒してるんだな・・・
ここまで再現しているとは思わなかったw
