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◎時代背景について

説明しないと先に進めない部分だけ説明したい。このゲームで舞台となっているのは中世ヨーロッパ、ないしイスラム勢力だがこのころの戦闘はまだ火薬が出ていないか、出始めの頃であり鉄砲が無敵の強さを誇っているわけではない時代である。(銃兵は編成できるが・・・)射程100m未満の火縄銃では騎兵隊の突撃を防ぐことは出来ず、むしろ一旦騎兵隊の突撃を受けると無防備な鉄砲隊はひとたまりもない、と言った感じである。

っと言うわけで、この頃の戦闘は勢力や時代(※)によって多少異なるが、映画で描かれているような白兵戦と騎馬突撃、弓矢による攻撃やカタパルト(投石機)や大砲による砲撃などが主体である。しかし、カタパルトや大砲は今ほど精度はよくないので気分しだいでどこにでも飛んで行ってしまうのが中世クオリティ。

投石機で味方を援護しようと思ったら石が思ったより飛ばなくて、味方をなぎ倒してしまったなど良くある話('A`)

※・・・M2TWのキャンペーンモードで扱われている時代の幅はかなり広いので、初期と終期ではかなり戦闘の様相も変わる

 

また、宗教が政治に大きく干渉していたのもこの時代の特徴である。

ゲームで選択できる勢力(っつーか、当時の西欧世界は)キリスト教(カトリック)国とイスラム教国に分かれており、キリスト教国では教皇という現世における神といえるほどの絶対権力が存在していた。っで、カトリックの国がカトリックの国に侵攻したり、教皇の言いつけを守らなかったりすると教会から破門されたりした。

「破門」されると国が滅亡しかねないほどの大問題となり、領内のキリスト教徒は領主に対して反乱を起こしたり、他のキリスト教国から「神をないがしろにする悪政者から信者たちを解放する」目的で侵攻を受けたりして散々な目にあった。

有名な「カノッサの屈辱」と言う事件があったのもこのゲームの舞台となっている時代で、ハインリヒ4世という神聖ローマ帝国 国王が自分の領地内で勝手に司教を任命していたのにキレた教皇が破門した挙句、ドイツの諸侯たちは反乱を起こし国がガタガタになったため、ハインリヒがカノッサ城にいた教皇に許しを請うため冬の城門前で3日間断食と祈りを続けた結果破門を解かれたという事件である。

とにかく、それぐらい宗教と教皇の力が強かった時代なのである。

 

◎ゲームプレイ(戦略パート)

このゲームでは戦略パート戦術パートに分かれている。戦略パートがあるのはキャンペーンモードのみであり、「歴史上のバトル」などほかのモードは基本的に戦うだけなので戦略パートは存在せず、戦術パートのみである。

戦略パートでは地図を見ながらユニットを動かしたり、政治を行い、敵部隊と野戦になるか、攻城戦になると戦闘パートに変化する。

キャンペーンモードの戦略パートではターン制を採用しており、2ターン=1年となっている。

以降、主な特徴をまとめてみる。

・勢力によって編成出来るユニットや能力に相当な変化があり、選んだ勢力によって政治の進め方や戦い方その物が大きく変わる

・国家に属する一族の「貴族」武将は、戦闘に勝つ、もしくは特定のイベントを乗り越えることで指揮能力などが成長する

・宗教と外交が戦略パートを進める上で重要な要素となっている

・領地には「都市」と「城」の2種類があり、どう運用していくかがゲームを進める上でキーポイントとなる

・各領地の政治は簡略化されているが、複雑な要素が絡み合っておりルールを理解できるまでかなり苦労する

・「将軍」(貴族)や神父、商人、暗殺者、スパイと言ったユニットには寿命が存在しおおむね60歳前後で死亡する。
ちなみに、神父や商人などのユニットを募兵したときの年齢はランダムだが、35歳以上ってことはまずなかったとおもう。

・キャンペーンモードではNPCの難易度を「戦闘の難易度」「政略の難易度」を別々に設定できる。

・海軍自体は存在するが、海戦は省略されている。(戦闘そのものが自動的に解決されてしまう)

 

領地で部隊を「募兵」し、敵の領地に進撃させることで攻城戦が発生し、敵のユニットと城外で衝突すると野戦になる。募兵したユニットはスタック化させ、1個の軍団として移動させることが出来る。たとえば、歩兵部隊と弓兵部隊はそれぞれ1ユニットだが、これを合流させ「戦略マップ上の1ユニット」として行軍させることができるというわけ。
また「貴族」(将軍)ユニットが存在し、この部隊は生産することが出来ないが、ユニットに将軍を組み込むことで配下部隊の士気が大幅に向上するほか、ユニットが離反しにくいといった多くのメリットを得ることが出来る。これは難易度を高くしてプレイしたときは大事な要素である。
募兵を行うと募兵そのものに金銭が必要なほか、領土内の人口が減るため、税収が減る一方「維持費」(兵士に払う給料など)が増えるというリアルなシステムが特徴。(これは前作Rome等でも取り入れられている)

つまり、兵士をもっと募集しようと思えば募集できるし、現実的に可能なのだが税収が減ってしまい結果的に国が危うくなるというジレンマを常に抱えているわけである。

本作において、領地は「城、都市」の2種類に分けられ、前者は主に兵士の徴兵拠点、後者は主に財政上の拠点として機能する。

スタックするユニット数には限界(20個部隊)があり、同様に「1度の戦場に投入できる部隊の数」にも限界があるのがマイナスポイント。例を挙げてみると、こちらが100部隊で、20部隊の敵が守る城に攻め込んだとしよう。こちらは敵の戦力の5倍を持っているが、戦術パートで1度に戦える戦力は20部隊が限度のため、同じである。結局、これでは大兵力を効果的に活かす事が出来なくなってしまい、「相手が戦力で上回っていてもやってみるまではわからない」という状況に至ってしまう。

 

 

◎宗教と外交

宗教の権威に関しては、最初の方に書いたがこのゲームでも宗教の権威の強さがゲームを進める上で大きなネックとなっており、同じカトリックの国に攻め込むと教皇の評価ががた落ち、最悪は破門される可能性がある。破門されると領内で反乱が起こりまくる他、有名な「十字軍」の標的になる可能性があると言う特典付き。

十字軍は自分から提起することが出来る(一定以上の教皇の評価が必要)ため、破門された勢力に対し十字軍を起こし、全カトリック勢力の敵に回すと言う方法が外交手段として非常に有用である。十字軍を編成すると、その十字軍の目標となる勢力は宣戦布告状態となり、十字軍が成功しようが失敗しようが、以後戦争状態が続くため、仮にカトリックの全勢力が十字軍に参加した場合、相手の勢力は十字軍がどのような結果で終わっても、以後カトリック勢力全てと「戦争状態」になってしまうわけである。

参加は基本的に選択制(参加しなくてもよい)っが、CPUの勢力は積極的に参加する傾向にある。

 

市民の宗教がイスラム教なのに、キリスト教国が攻め込んで勝手にキリスト教国化してしまうと、宗教的な不穏から反乱が多発すると言うシステムになっており、そのため「神父」「イマーム(イスラム教)」を現地に派遣して予め改宗させるといった作業も重要である。反乱軍は時として、領地そのものを奪ってしまうことがあるので改宗は出来る限り行う必要がある。これがヨーロッパの海外進出のやり方だったために、後に日本でキリスト教が弾圧されるのも「宣教師の後は軍隊がくる」というのを警戒したためと言うことなのだが・・・

また、多く敵を作らないためにも外交を積極的に行ったり、敵国の外交官を暗殺したりして外交交渉を沈滞させるなどの狡猾さが必要になることも。

この辺のシステムは戦略面が簡略化されていながらも、現実と同様「力だけで版図を広げるのは難しい」というシステムは好感が持てる。

 

 

 

◎ゲームプレイ(戦術パート)

戦術パートでは実際の戦闘を指揮することになるが、この戦術パートこそがTotal Warシリーズがもっとも力を入れている部分であり、完成度は高い。戦術パートでは、敵の全部隊を「敗走」状態にさせるか、もしくは作戦地域から撤退させるか、ないし全滅させる かの3つの条件の1つを満たすことで勝利となる。(将軍を殺すだけでは勝利にならない)

 

このモードでは、他のストラテジーゲームよりもかなりカメラワークを操作することが可能で、俯瞰していると言うよりは、実際に映画の一場面をずっと観察していると言う方に近い。また、他のストラテジーゲームにあるような「グループ化」(1個ずつ部隊を動かすと煩雑なので、複数の部隊を1つのグループとしてまとめるやり方)などももちろん可能である。


キャンペーンモード中に戦術パートに突入した場合、まずは部隊の配置を自分で決めることになる。
(「歴史上の戦闘」などは自分で配置することができない)初期配置は自分のすきな位置に好きな部隊を配置させることが出来るので、例えば敵の進行方向から遠い場所に砲兵を置いたり、前列に予め槍兵やパイク(対騎兵用の長槍兵)を配置したりできる。

 

このゲームの戦闘でリアルな点は、他のゲームではあまり重視されていなかった「地形」や「士気」の要素が戦闘に深くかかわっていることである。例えば騎兵突撃は歩兵を「なぎ倒す」事ができたり、突撃を食らった側の部隊は士気の高い騎兵の突撃の前に戦わずして逃げてしまったりすることもある。(他のゲームでは突撃の衝撃力が無視されていたり、受けた側も全滅するまで戦うと言うパターンが多いが)

また、地形の要素にしても、騎兵が敵の歩兵に突撃した際、高所に陣取っていれば「運動量」(衝撃力)が増加するため、騎兵突撃の破壊力が増したり、歩兵戦闘でも部隊を縦の縦列2列にすると部隊の士気が上がると言った、実際の中世の戦闘でありがちだった要素が再現されている。もちろんだが、将軍の能力が高い場合は兵士がより勇敢に戦う。

 

部隊の士気はユニットごとに決められており「農民」のような徴募兵は士気が低くすぐ敗走してしまうが「ジャンダーム」(野戦憲兵からなるエリート騎兵隊)のようなユニットは死ぬまで戦う場合が多い。これらは将軍や他の影響を受けることで士気にボーナスを得ることができる。

数の上で勝っていても実際戦ってみると部隊が勝手に壊走したり、命令を聞かずに突撃すると言った不確定要素があるのもこのゲームの大きな特徴。おそらく、単に戦闘という面だけに限ればこれほど良く出来たシリーズはないだろうとおもう。

 

それから、部隊は何かしら特殊能力を持っているものがあり、例えば弓兵は火矢を使用可能だったり、トレバシェット(カタパルト/投石器の発展型)は「牛の死体」を飛ばすことが出来たりもする。火矢は命中精度と引き換えに、敵部隊に恐怖を与える(=士気を下げる)ことが可能で、牛の死体は悪臭により士気だけでなく、戦闘能力そのものを低下させることができる。

戦略パートも戦術パートもそうだが、「助言」機能があり、左上に登場するババァかハゲがある程度役に立つ助言を与えてくれる。この助言は他のゲームの冗長なヘルプに比べると精度が良く、役立ち度も高いのでかなり重宝する。

 

 

 

 

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